イヤホン電話の奇妙な人

街を歩いていて、スーパーで買い物をしていて、時々ドキッとすることがある。歩きながら何か一人でブツブツ話している人がいるのだ。独り言?目に見えない誰かとテレパシー中? 奇妙な雰囲気に不安になる。
たいていはヘンな人ではない。イヤホンで電話中の人だ。たぶん携帯はカバンの中かポケットの中、あるいはコートの中で首からぶら下げているのだろう。イヤホン自体も首の後ろにまわって髪の毛に隠れて見えないとなると、あまりに自然過ぎて「少し変わった人」にしかみえない。女性でも男性でもこういう人を見かけると私は、電話中なのかそうでないのか、申し訳ないがチラチラ見てしまう。電話中だとわかるとちょっとホッとするのは私だけだろうか。「只今電話中です」とわかるようにしてもらいたいと思ってしまうのは、私が古い人間なんだろうか。

しかし最近、私もその人たちの仲間入りをした。夫が携帯電話用のマイク付きイヤホンを買ってきてくれたのである。携帯がいくら小さくなってきたとはいえ、ずっと持って耳にあてて電話していると、電話している最中も携帯が耳が当たっているせいで痛くなるし、電話を切った後は右手がプルプルしてしまう。たぶん携帯が重いのではなく、自分の前腕が重くて疲れたって感じだろう。太ったからなあ・・・。

夫の買ってきてくれたイヤホンは、耳に当たる部分が私にはやや大きくて痛いのが難点だが、使ってみると本当に楽ちんだ。ポケットに携帯を入れてイヤホンをさして話していれば、腕は疲れないし、両手が開くので冷蔵庫へお茶を取りに行ってコップに注ぐこともできるし、洗濯物も干せるし、料理だってしようと思えばできる。急を要するときはトイレも行ける・・・かも。決して片手間に人の話を聞いているわけではない。ちゃんと聞いているよ。しかし、腕が自由になって何でもできるという良さもあるが、やっぱり楽なのだ。

だが、電話がかかってきたとき直ぐに携帯にイヤホンをさせればいいのだろうが、そうもいかない時の方が私は多い。まず、弱っちい蓋をクニュッと開け、そこへイヤホンを差し込むためには、そのことを相手にちょっと断るか、または話を聞いているふりして携帯から耳を外し、その作業をしなければならない。私のスマホだけなのかしら? もう少しその辺、何とかならないものだろうか。相手に気づかれず、サクッとさせるような形態のジャック。とても便利なものなのに、その点がすごく不便だ。

夫は今回のイヤホンの少し前に、面白いマイク付きイヤホンを買ってきてくれていた。両耳へのコードがジッパーになっていて、ジャンパーの前を締めるように閉じられるというものだ。私が持っていた他のウォークマンのイヤホンはストッパーが上下するだけだったが、そのマイク付きイヤホンはジーッとあげられて一本になるのだからすっきりするし、コードとコードの間に何かを引っ掛けたりもしない。私の耳の形と合わなかったため、今回またマイク付きのイヤホンを改めて買ってきてくれたのだが、一長一短だ。ジッパーの物はなかなかいいアイデアだったので、次の作品を期待している。もう少しコードがスリムで、色が普通色で、耳の痛くならないやつをね。

夫は随分前にもテレビ用にコードレスのヘッドホンを買ってきてくれた。そういえばよくイヤホンとかヘッドホンを買ってきてくれるなあ。
コードレスのイヤホンはコードがグルグルにならないのだから便利だし、欲しいと思っていたので嬉しかったのだが、こちらも耳に合わなかった。痛くて痛くて15分とかけていられなかったのである。結構高かったんだそうだ。私の耳ってそんなに変なんだろうか・・・??
今、私が使っているテレビ用のヘッドホンはSONYのもので、ご住職さんが仏壇の前で座るようなふっかふかな分厚いクッションが耳についている。何というか「お耳が気持ちいい~」という感じだ。長いコードはグルグルクネクネになっちゃって大変だし、クッションもちょっとへたってきたものの、耳に痛くないものかどうかは買ってみないとわからないので、もうずっと何年も何年も愛用している。

このヘッドホンのグルグルクネクネさえ解消できたらいいのに・・・と思っていると、素敵なヘッドホンスタンドを見つけた。「ジャストモバイルヘッドスタンド」という商品だ。シンプルでメタリックでモダンな雰囲気。そしてベースの部分にコードがしまえるようになっていて、すっきりしている。しかし、ちょっとだけお値段がする。今までヘッドホンはテレビの横に直に置いていたので、ただのヘッドホンスタンドにこの値段か・・・と思って、買い物かごに入れっぱなしだ。でもかっこいいんだよね。それほどの値段じゃないし買っちゃおうかなぁ、どうしようかなぁ、欲しいなあ・・・。
 

ヘッドホンコーナーへ行くとピンキリである。低音がいいとか、高音がいいとか、バランスがいいとか、クラシック向きだとか、クリアな音質だとか、柔らかい音質だとか、とにかくワンランク上のこだわりを持ったヘッドホンがいろいろあるんだね。でもいろいろすぎて、私などは説明を聞いているとだんだん面倒臭くなってきてしまう。「よくわからないので、いいのを下さい」と言うと店員さんは笑いながら困った顔をする。「そんなに大きな違いはあるんですか?」と聞いても「あ、全然違うと思いますよ」と言われて聞いてみても、それほど違うようには思えない。せいぜい「お耳が気持ちいい~」のはどれが一番か、くらいだ。
「こだわりがないんでしたら、この辺が普通ですね・・・」と言われると、ちょっとカチンと来る。いや、こだわってるよ、いいのが欲しいって言ってるじゃん!と言いたくなる。が、我慢する。聴く耳がないのがいけないんだからね。
でも、もうちょっと何か言い方ってないのかしら?「みんな最高品質ですからねぇ。どれも一長一短なので、この中で選ぶのはギョーカイの人でもなければ難しいですよね~。僕も正直言うと難しいです・・・」とかさ。
お願いだから、yes no で答えて「あなたにピッタリのヘッドホンはコレ!」とやってほしいものだ。

音が周りに漏れなくなったのも、手で持たなくなったのも、スマートになったのも、音質が趣向に合わせて細かくなったのもいいけれど、あんまり行き過ぎると怖いよ、私には。車だってそういう怖い思いをした人の話を聞いたことがある。静かすぎて怖い、と。
何事も過ぎたるは何とやら・・・だ。もう少しだけ周りにわかりやすい形で、だけどスマートなイヤホンやヘッドホンであってくれると、私のようにドキッとする人間には嬉しいんだけどな。
私は外でイヤホン電話をどうしてもしなければならないときは「只今電話中」を猛烈にアピールしている、胸の前でスマホを手に持って。全然意味ないね。私も十分「奇妙な人」だろう・・・。

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