ヨーグルトメーカーは凄い!!

「菌活」という言葉がはやり出したのはいつ頃だろう。就活、婚活という言葉の後に生まれた言葉だろうね、きっと。
そのはやりを受けてか、今年の4月からNHKで「今日から発酵ライフ」という番組が始まった。第1回目のヨーグルトのテーマは見逃したが、その後は録画予約している。始まったばかりだからかゲストはちょっとぎこちないが、藤原紀香の出ている番組だし、私もキレイになれるかな・・・とレシピをしっかりメモっているところだ。

もともと和食が好きな私は、発酵食品も大好きだ。酢の物や味噌漬け、粕漬けなんて目がない。だから、ちょうど塩麹がはやりだしたとき、私も自分で塩麹をつくろうと思って、麹やで生麹を買って仕込んだ。塩麹は初めて聞くものだったが、あたらしもの好きの私はすぐチャレンジしたくなったのだ。
1か月くらいかかって作った自家製塩麹は、麹やさんの説明通りにつくったものの、ちょっと麹のにおいが強くて上出来とは言えなかったが、お肉を漬ければ柔らかくて風味も良くなり、すぐに塩麹ファンになった。
今では我が家でも味噌や醤油と同格になった塩麹、いつもお世話になっている。鶏の胸肉を観音開きにして塩麹をまぶしつけ、真空パックにして2日ほど冷蔵庫においたものをふくろのままボイルすると、柔らかくてしっとりとした胸肉の塩麹ハムが出来上がる。サラダにしたり、そのハムに具材を巻いてフライにしても、レモンを絞るだけでさわやかなメインになる。ソースなんていらない。

他にも我が家は夏限定でぬか漬けを作る。冬は白菜漬けを仕込むので、ぬか漬けは夏だけだ。納豆は二日に一度は必ず食べている。キムチも常備菜だし、きのこもたくさんではないけれど欠かさず食べている。家族みんなお酢好きなので、ポン酢や酢、ノンオイルドレッシングも毎日取っている。
・・・でもこの程度。菌活を気にしているというわりに、漬物をつくる以外は、普通に毎日食事をしていれば摂取できる程度のものだろう。果たしてこれで足りているのか目安もわからないし、お腹でどのくらい菌活できているか実感もわかず、効果のほども全く自信が無い。そこで一年ほど前、ヨーグルトメーカーを買った。それまでもヨーグルトは食べていたが、他の発酵食品のような「食材」というより「デザート」の扱いなので、気分によって買ったり買わなかったりだった。しかし、これでは菌が足りないかも・・・と思い、LG21が胃がんの原因となるピロリ菌をやっつけてくれるということも聞くし、そろそろガン年齢の夫婦の健康のためにも・・・と自家製ヨーグルト生活を始めることにしたのだ。
私の買ったヨーグルトメーカーはタニカの「ヨーグルティア(ホワイト)」だ。カスピ海ヨーグルトもケフィアヨーグルトもできるし、豆乳ヨーグルト、ココナッツミルクヨーグルトといったアレンジ物も、甘酒や塩麹、味噌や納豆まで作ることができる。内容器も2つついてくるので、一つはヨーグルト用、一つはそれ以外と分けて使うことができるので、におい移りを心配せずに済むところもいい。

さて、ヨーグルト生活を始めてみて、家族がこんなにもヨーグルトが好きだったことを初めて知った。
ヨーグルティアで出来るヨーグルトは1Lと、たっぷりずっしりなので、食事がすむとその重たい容器をテーブルにだし、お気に入りのイッタラのグレーのカステヘルミに美しくさわやかに、ジャムやあればフルーツなど添えて盛り付けるのだが、「おかわり!」「おかわり!」とばくばく食べ、カステヘルミとヨーグルトの美しさに見とれる暇もない。丼に盛った方がよかったかしら・・・と思うくらい食べる。おかげで私以外はみな、腸の具合も大変よろしいようで何よりだけど。
ヨーグルトが毎日あるからって料理の幅はちっとも広がりはしないが、敷居は低くなったように思う。例えばタンドリーチキンが好きな子どものために「明日のお弁当にタンドリーチキンをつくろうかな」と急に深夜になって思いついても、昔は「あー、ヨーグルトが無いからダメだ。照り焼きにしよ・・・」と変更していたのが、今ではいつも冷蔵庫にヨーグルトがたっぷりあるので簡単につくれる。
ダイエットにもいい。お腹がすいたらスナック菓子なんて食べずに、ヨーグルトがいつでも食べられるからね。私も痩せるかな?と思ったが、そこまではちょっと無理な人もいたみたい・・・。

ところで、ヨーグルトメーカーで自家製ヨーグルトをつくるメリットは経済的だから、ということが私にはあった。
ケフィアヨーグルトの菌も購入したが、私は今はLG21の無糖ヨーグルト(112g) を1つ買って、それを牛乳1Lで溶かし、自家製ヨーグルトを約IL作っている。125円の種菌となるLG21と200円ほどの牛乳で約1Lのヨーグルトが約325円でできるので、仮にLG21を1L買ったのと比較すれば約1/4での経費でLG21ヨーグルトを作ることができたってことになる。

菌の種類を無視して経済面だけで比較するなら、LG21を自家製でIL作った場合と、ブルガリアヨーグルト450gなどを2つ買って来たのとほとんど変わらないので、そこは各家庭の考え方次第だろう。
しかし、私はさらに経済的に、種菌ヨーグルトを「親」として作った自家製ヨーグルト第1号「子」から「子(親からみて孫)」は作れないかと以前試した。できると書いてあったのだが、何が悪かったのか緩くなりすぎて失敗した経験がある。ヨーグルトメーカーで作るヨーグルトは市販の物を種として作ると、乳酸菌の数が元より少なく出来上がっていて、それが原因で「孫づくり」に失敗したのかもしれないと思い、毎回種菌のLG21をひとつ買ってヨーグルトをつくるようにしていた。が、やはりそこの点を詳しく知りたくて、ヨーグルティアのメーカーである「タニカ」に伺ってみることにした。
直ぐに回答がいただけだが、大変丁寧な長いメールで恐縮せんばかりである。ありがとうございます。
それによるとこうである。

まず、乳酸菌の数について。
市販のヨーグルト商品によって数が異なるので明確には言えないが、文科省が定めているヨーグルトに含まれる乳酸菌の数の食品基準と、ヨーグルトメーカーで作ったヨーグルトをサンプルとして比較した際には、自家製ヨーグルトには食品基準の10~100倍ほどの乳酸菌が含まれています。
ということだった。
つまり、「ヨーグルト」と認められるのに必要な乳酸菌の数を各商品とももちろんクリアしているが、その基準をどれだけ割り増ししてクリアしたヨーグルトかは商品によって違うのでそれぞれの比較データは出せないが、乳酸菌の数がとても多い商品と比較すれば、その10倍多くの乳酸菌が自家製ヨーグルトには含まれているし、基準をギリギリクリアして商品化しているヨーグルトと比較するなら、その100倍多くの乳酸菌が自家製ヨーグルトには含まれている、ということなのだろう。タニカは1つの例として、R-1ヨーグルトを挙げてくれた。R-1ヨーグルトを種菌(親)としてヨーグルトメーカーでヨーグルトを作ると、1gあたり8億個の乳酸菌が含まれているという結果が出ているとのことである。
R-1ヨーグルトが基準よりうんと多い乳酸菌を含んだ商品だとすれば、市販の物には8000万個の乳酸菌数が含まれているということだし、反対にR-1ヨーグルトがあまり乳酸菌数が多くない商品だとするなら、市販の物は800万個の乳酸菌であるということで、それに比べてそのR-1ヨーグルトを種菌として自家製ヨーグルトをつくると、1gあたり8億個の乳酸菌になっていたという解釈になる。どちらにしても、それが本当なら間違いなく「自家製ヨーグルト、バンザイ!」だよね。

また、孫ヨーグルト、ひ孫ヨーグルト・・・と作ろうとするならコツがあるようで、出来上がった自家製ヨーグルトの容器を最初に開けるときに、そのヨーグルトの中央部分から、孫作りのための種菌として取り出して、また牛乳と混ぜるようにするのがいいそうである。空気に触れていない部分ということだから、上部の真ん中ではなく、容器の中央から取り出すということだ。パクパク食べていって、容器に残ったもので作るのでは雑菌が入っていたりしてヨーグルトが固まらないことがある、というアドバイスだった。なーるほど・・・それで私は失敗したのかもしれない。もし何度目かでヨーグルトが固まらなくなったら、菌の元気がなくなったという風に考えて、あたらしいヨーグルトを買ってきて種菌を新しくするのだそうだ。うん!わかったよ。

そして、もうひとつ勉強になった。ヨーグルトの種菌を親として子をつくり、また子をつくり・・・とすることを「ヨーグルトの植え継ぎ」というのだそうだ。「ヨーグルトの子づくり」よりはるかに品がいいよね・・・。

「今日から発酵ライフ」によると、腸を元気に保つことが体の元気、美容のもとということで、毎日いろんな種類の発酵食品を取ることが大事なようだ。
ヨーグルトの植え継ぎをすれば、今よりますます経済的にヨーグルトが作れるだけでなく、市販のヨーグルトより乳酸菌がほぼ間違いなく10~100倍も多く摂取できるとあらば、どんどん食べなきゃ!
でも、平均は100~200gだそうだ。摂りすぎもジャムなんて入れていたら太っちゃうもんね。
毎日コツコツ、パクパクだ。丼はやめておこう。

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