今日5月4日はいい天気だ。東京の空は真っ青で、朝から雲一つない。
昨日のやや黄土色っぽくかすんだ空とはうって変わり、昨夜の雨と強風で汚れが一掃されたかのようにクリアな視界だ。空気も湿った土の匂いがしてみずみずしく、気持ちのいい風が吹き渡っている。私も今朝から思いっきり窓を開けて、家の中に風を通している。
私は先月からスマホに九州大学の大気汚染予報というアプリを入れている。黄砂やPM2.5が年間で一番飛来する今の時期は、どうしても気になってしまうからだ。
全国の状況はもちろん、自分の地域がどうなのか、6時間ごとに汚染状況、黄砂の量を「少ない(清浄)」「やや多い(大気が少し霞む程度)」「多い(環境基準値程度)」「非常に多い(注意喚起レベル)」の4段階で表示する。
他にも環境省が出している環境省大気汚染物質広域監視システムという「そらまめ君」や国立環境研究所による大気汚染予測システムVENUSなど様々なものが出ていて、物質名を特定して調べることができたり、数値を細かく出したり、今この時刻、一番数値が急上昇している町の名前まで出すようなものもあるが、私はそこまで知りたいとは思わない。なんだか怖いもの・・・。
昨日5月3日の首都圏のPM2.5は、私の入れているアプリでは「非常に多い」の赤色表示であった。他の検索でも揃って「注意喚起」となっていた。
私はこれによって行動が極端に制限されることはないが、そのことをちょっと頭に入れておいて、例えばどんなに天気がよくても窓を開けっぱなしにはしないとか、洗濯物は外には干さないとか、外出時はマスクをするなどの対策をしようかなぁと考える程度である。「する」と決めているわけではない。放射能と同じで目には見えないし、空気に溶け込んでいるものだから、完全シャットアウト!みたいなことはできないし、生活の質が落ちるほど気にした生活はしたくないけれど、花粉情報をみてマスクをしようかと考えたり、降水確率を見て傘を持っていくかどうか考えるように、「知らないよりは知って1日を過ごそう」くらいの気持ちでアプリを毎日見ている。
それにしてもこの汚染物質、どこからやってくるかが動画で表示されるのを見ると、一刻も早く解決して頂きたいと思ってしまう。独自の理論で海洋資源を荒らすのも、領空を勝手に決めるのも本当に困った話だが、地球上を回るこの大気汚染については、自国内だけでしか通用しない解釈でごり押しするようなことはできないってことぐらいわかるだろう。大変な迷惑をかけているという意識を持って、真剣に取り組んでいることを目に見える形で世界に見せてもらいたいと思う。仮にも「国連常任理事国」のはずなんだから。
日本だって決して人ごとではない。昔はひどかったのだから。今だって物欲のかたまりのような国で、火力に頼っているということを思えば「人のふり見て・・・」ではあるけれど、モラルだけが地球を守るということを、私も忘れてはいけないと思っている。
国連のリオ地球サミットで当時12歳だったセヴァン・カリス=スズキが話した6分間の伝説のスピーチにしても、同じくリオで開かれた国連の持続可能な開発会議で心打たれるスピーチをしたウルグアイの元大統領ムヒカ氏の言葉にしても、耳の痛い、しかし真実の訴えが国を支える中枢の人たちに、企業人たちに、またそれを支えている私たちに、私に、ちゃんと届いているのか・・・と大気汚染の動画を見て自問自答する。
今日は環境省の「そらまめ君」の確認によると、「すべての人が通常の屋外活動が可能」な良い日になっているそうで、上層階はやや強風が吹いているが窓を開けている。明日はさらにいいようだ。
でも、消えたのではない。昨日の首都圏の汚染がどこか別の場所へ動いただけ。どこかの山か、どこかの海か、どこかの土か、どこかの空気へ溶け込んだだけ。